韓日トンネルは21世紀アジアの繁栄と平和の象徴

イ・ヨンフム(世界平和トンネル財団副理事長)

 

 釜山市庁舎と釜山市立美術館,ベクスコ,ヌリマルなど,釜山屈指の建築物を設計してきたイ・ヨンフム副理事長は,ここ数年間,釜山と日本を何度も行き来しながら,韓日トンネル推進のために尽力している。釜山,あるいは巨済島から対馬を経て福岡をつなぐ韓日トンネルは,21世紀アジアの繁栄と平和時代を象徴するとの信念から出発している。そのような評価は,韓国と日本列島をつなぐ海底トンネルを「アジア・ルート」や「アジア・トンネル」と呼ぼうと提案しているところにも見て取ることができる。
(以下,「」内はイ副理事長のことばである)

 「韓日間の海底を高速鉄道によってつなぐという韓日海底トンネルは,韓国を世界の核心的な物流国家として引き上げてくれるだろう。経済的な理由などでいまだ本格的に推進されてはいないが,韓日トンネルが建設された場合には,東北アジア新時代を拓いていく大動脈になるだろう。韓日トンネルは,われわれの世代が次世代につなげるべき,最高・最大の土木事業となるだろう。
 それほど遠くない将来に,韓半島横断道路が建設されるだろう。そうなった場合には,韓日トンネルも自然に弾みがつくようになり,シベリア横断鉄道やベーリング海峡海底鉄道も連結されれば,それこそ韓半島は世界の中心地になるだろう。世界平和トンネル財団は,究極的に各国と大陸を連結する世界平和超高速道路網を通して恒久平和を実現しようとの趣旨に立って,韓日トンネルとベーリング海峡プロジェクトを推進している。」

 韓国と日本列島を海底トンネルで連結しようという論議は,かなり以前から始められていた。韓国に先立つこと日本では,1920年代から間歇的に海底トンネル建設が必要だと意見が提起されてきた。韓国では1980年代から民間と政府レベルで論議が始まった。文鮮明総裁が1981年に国際平和高速道路建設を提唱して以降,盧泰愚,金大中,盧武鉉の各大統領在任中に,韓日首脳会議などのチャンネルを通じて,海底トンネル建設の必要性が強調された。一世代を経た議論のおかげであろうか,海底トンネル建設の必要性に対する共通認識が両国に広がりつつあるようだ。
 「国民的合意がなされれば,韓日トンネルは2020年代には着工可能であろう。新技術を基盤として工事が順調に進めば,2030年ごろには多くの旅行客が海底の高速鉄道を通して韓国と日本列島を貫いて行き来しているだろう」。
「市場経済研究院の分析に拠れば,控えめに見積もっても,2030年ごろにはトンネル利用客は800万人に達するだろうとされる。南北関係が改善され,中国人旅行客が韓国を日本を同時に訪問すれば,利用客数は想像以上になるに違いない」。

 2010年の釜山発展研究院の報告書でも,肯定的な評価が多い。例えば,韓日トンネルの生産誘発効果39兆4000億ウォン,付加価値誘発効果15兆ウォン,25万9000人の雇用誘発効果などがあるという。イ副理事長は,最適ルートと構造物をうまく選定すれば,建設費は65兆ウォンで済み,費用と便益がほとんど均衡し,さらに新技術が開発されれば,期間と工事費を一層節減することができ,経済的な妥当性問題も克服することができるだろうと展望する。
 彼は韓国と日本をつなぐ大型プロジェクトの進め方についても言及した。
「両国政府と民間が一緒に工事を進める場合,韓日トンネル建設は無理なく推進することが可能だ。超大型建設事業の世界的な趨勢にあわせて,建設は政府財政で進め,運営は民間に任せるという方式が考えられる」。
 世界的にも有名な建築物を設計する専門家であるイ副理事長にとって,この海底トンネルは格別なものだ。
 「韓日トンネルは,世界海底トンネルの歴史を新しく書き換えるだろう。恐れ多くも,人類土木建築史に記憶される大型事業だ」と強調する。韓日トンネルは,それこそ壮大なトンネルだ。海底トンネル区間は128〜145キロメートルで,トンネルを出たところのいくつかの橋梁部分を含めると209〜231キロメートルに及ぶ。これは,既存の最長海底トンネルであるユーロトンネル(38キロメートル)は言うまでもないが,日本の青函トンネル(23キロメートル),オーレンス・リンク(スウェーデン・デンマークを結ぶ。トンネル4キロメートル,橋8キロメートル)と比較しても相当なものだ。

このような期待が寄せられるのは事実であるが,建設過程において問題はないのか? 
「土木・建設の技術的進歩のおかげで,さまざまな工法により建設が可能となってきた」といい,現在の技術水準でも何の問題もないと説明する。しかし韓日両国をつなぐ新しい交通路建設に対しては,情緒的な拒否感(わだかまり)が強い。この点については,「それでもいくつかの理由を挙げて,それは杞憂に過ぎない」と力説した。
 「日本に対する拒否感,すなわち大陸へ進出(膨張)欲をもつ日本に対して,韓国の得る利益が少ないのではないかとの否定的な評価があることも確かだ。しかし南北の経済協力,アジアの平和などの前向きなモーメントが,ネガティブなモーメントを圧倒している。そして否定的な評価にしても,分析の前提条件などの間違いがあることも少なくない。
ユーロトンネル建設以降,島国英国に比べて大陸国家であるフランスが得た利益の方が多い。英国だけ行こうとした欧州の観光客も,その途中経路であるフランスをそのまま過ぎることばかりではないのではないか?」
 海によって隣接国家間の断絶状態が継続されれば,両国ともにマイナスであるが,海底トンネルを通して陸上交通網で連結されれば,大陸(半島)国家である韓国にかなり利益がもたらされることだろう。
 「現在のわれわれは,1世紀,あるいは1世代前の韓国とは違う。韓国が日本文化を開放したあと,むしろ韓流は日本を通して世界に広がり認められたのだ。海の下から新しいチャンスを作り出してくれる海底トンネルは,結局われわれの未来と生活を変えるようになるだろう。韓国人の努力によって,西方のヨーロッパと東方の日本と太平洋を一つに束ねる人類の嘉悦を味わうことができるのだ」。

(韓国・「世界日報」2012年4月20日付)