ぎくしゃくする日中のはざまに立つ韓国の姿勢

 日本に住む韓国人たちが,最近私的な席において日本人からよく受ける質問に,次のようなものがあるという。すなわち,「韓国は,日本と中国のどちらと手を握ろうとしているのか?」というものだ。このような質問を投げかける日本人は,韓国が手を握るのは当然「日本だ」という暗黙の期待を持っているようだ。
 マスコミや日常生活ではなく,外交分野においても同様だ。野田佳彦首相と玄葉光一郎外相,前原誠司民主党政調会長などの野田政権の中心的人物の多くは,知韓派または親韓派を自称しており,韓日関係の強化に強い意欲を示している。
 保守エリート養成所である松下政経塾出身の政治家たちは,2009年民主党政権発足時に,鳩山由紀夫総理(当時)の親中国の行動に,強い不満を示したという。彼らは,日本の安全と平和に最も危険な存在が中国であり,中国を牽制するために日米同盟強化を図り,韓国を日本側に引きつけなければならないという情勢認識を持つ。
 野田首相が首相就任後最初の首脳会談訪問地として韓国を選び,朝鮮総督府時の略奪図書の一部を渡したことも,上述のような情勢認識の延長線上において理解する必要がある。過去の歴史に問題に対する反省に立った行動というよりは,中国との対決という当面する外交課題に当たっていくための実用的な次元において,韓国に「求愛」をしていると見ることが正しいだろう。
 最近の北東アジア情勢は,19世紀末のようなきわめて敏感な局面に入りつつある。超強大国としての位置に復帰しようと狙っている中国と,中国を牽制しようとする日本の間に立つ韓国は,そうやすやすとどちらか一方の肩を持つとか,一方を排除するということは,国益の観点からは望ましいこととは言えない。むしろ,葛藤・対立する日中両国の間に立って,それらの調整者として,日本国内の「親韓,反中」という風(ムード)の意味を正確に読み解き,賢く対応する必要がある。

(韓国「世界日報」東京特派員キン・ドンジン・リポート,2011年10月31日付)