未来の新しい食料資源として昆虫に注目

 最近,国連食糧農業機関(FAO)が発行した報告書に拠れば,未来の人類の食糧難解決の代案の一つとして,昆虫に注目している。2050年に世界の人口が90億に迫ると予想される中,そのような人類の腹を満たしてくれる有力なものとして,旺盛な繁殖力と豊富な栄養素をもつ昆虫が今後重要な食材になるだろうと展望する。
 昆虫は採集が容易で成長速度が速く食糧効率が高い。食糧を摂取するときに,タンパク質の生産効率が家畜より13倍高く,摂取した後に食糧が体の構成物質に取り込まれる効率も2〜4倍高い。そして高タンパク・低脂肪で,マグネシウム,鉄,亜鉛のような無機質まで豊富だ。
 昆虫は,ウシやブタを飼育するときよりも,飼料が少なくて済む。繁殖率を考慮した実質飼料効率は,コオロギはウシの20倍にも達する。飼育する過程で,メタンガスや二酸化炭素のような地球温暖化の主因である温室ガスもほとんど排出されず,環境にもいいものだ。現在,食用として食べられる昆虫は,1400種余に達する。全世界的に20億人の人口が,昆虫を主食或いは副食物として摂取している。
 昆虫が未来の食料資源になるためには,食用昆虫の安全性確保とおいしく食べられる料理法の開発などを通して,食用昆虫に対する偏見をなくしていくことが重要だ。
 事実,昆虫は地球上に約130万種にも及ぶ,地球最大の未開発資源の一つに数えられている。最近では,使い方が広がり,食用はもちろんのこと,愛玩用,環境浄化用,天敵用,飼料用など,多様な分野で活用されている。これ以外にも,頭の痛い食べ残し問題でそれをきれいに処理してくれるミズアブ,爬虫類や哺乳類のエサとなるコオロギ,作物に害を及ぼす害虫を食べてくれる天敵昆虫,花粉を媒介として受精を手助けしてくれる花粉媒介昆虫(ミツバチ,クマバチなど)まで,昆虫の領域は実に広い。
 昆虫は時間と空間,人的投資が少なくても,大きな効果をあげることのできる事業として無限の潜在力をもつ。2009年に1590億ウォンだった国内昆虫市場は,2015年には2980億ウィンに拡大すると予想されている。今後,昆虫の食品化が促進され,バイオや医薬品分野まで昆虫の活用範囲が拡大されれば,昆虫産業の市場規模は幾何級数的に拡大するに違いない。この程度ならば,昆虫産業が「金の卵」を生む産業と言っても過言ではない。
 今や昆虫が,カネになる時代が大きく開かれつつある。無限大の価値をもつ昆虫が人類にプレゼントしてくれる新しい未来に,興味が膨らむばかりだ。
(韓国・農村振興庁 国立農業科学院長・チョンヘギョン,韓国「世界日報」2013年6月18日より)