教皇フランシスのリーダーシップにビジネス界から注目

 破格的な行動でカトリック教会の改革を進めているフランシスコ教皇のリーダーシップに対して,経営学の視点から関心が集まっている。
 ジェイムス・キャロル教授(サフォーク大学,ボストン)は,ハーバード経営大学院発行の『ハーバード・ビジネス・レビュー』に掲載された「われわれはなぜフランシスコ教皇に対する言説を止められないのか」という論文で,「卓越した経営者としての面目を見せてくれる」教皇の5つの核心的リーダーシップの要素を示した。
 その一。新しい前例つくり。教皇は婚前同居カップル20組を対象に「結婚の秘跡」(ミサ)を執り行った。結婚と家族の価値に対する教団内の論議が盛んになるや,自ら積極的に前例をつくって教団に対し「強いメッセージ」を伝えたのである。これは最近,世界代表司教会議において,カトリック史上前例のない未来志向的な論議に展開した。
 その二。低い位置まで下りて臨む姿勢。教皇は,2013年イタリア南部のランペドゥーザ島難民船沈没事故で,アフリカの難民360人が死亡したとき,自らその島に行って追悼ミサを行った。このことが世の中の関心を引き,EUが「海上難民安全警報システム」構築の契機となった。
 その三,脱権威。その四,断固さ。教皇という位置がもつ強大な権限を8人の高位聖職者と分け合い,論議のしくみを改革した。その代わり,教皇は重要な原則と意思を決定するときには決して引くことはしない。フランシスコ教皇は,教皇に就任するや,教皇が下賜していた「ボーナス」を廃止した。
 2014年11月8日,代表的保守派である米国出身のレイモンド・バーク枢機卿を,カトリック教会の最高法院の長である使徒座署名院長官から更迭した。また11月13日には,教皇は聖ペテロ広場の石柱の間にある公衆トイレにホームレスのための3台のシャワー施設を整えるよう指示した。
 キャロル教授は,「教皇は誤謬を犯さない」というカトリックの金言とは違い,「失敗を認める」人間的な面目を五番目の資質として選んだ。教皇は,自分も過去に多くの失敗を犯したし,急いだ意思決定によって問題を起こしたことも多かったと告白した。
 これより先,英国の「フィナンシャルタイムズ」も,教皇のリーダーシップのスタイルについて,世俗の政治家や企業人も学ぶべきだとしたことがあった。
(韓国『世界日報』2014年11月15日記事)